No.24346 在宅介護か施設か迷っています。

質問(相談内容)
■ Q :
母の状態が落ち着き、主治医から在宅に今すぐ戻すのは無理なので老人保健施設を探すよう言われています。母は要介護5で右麻痺車イスにて全介助、食事は嚥下食ですが口から取れます。立つのとトイレに行くのは今訓練中です。在宅では相当大変だと言われましたが、母の状態ですとどういった点が一番大変でしょうか?父が病院や施設では可愛そうだから早く自宅に連れて帰りたいようです。
しかし父は高齢の為、説明してもあまりわかってもらえず、主治医からも説明してもらいましたが
今の状態では在宅は無理としか言ってもらえず。具体的に父が納得するよな答えが見つからないです。私自身もわかっていないので、在宅介護でご苦労されている点を色々と詳しく教えていただけるとありがたいです。兄弟はいなく一人っ子なので介護者はメインは私で父が食べさせたりは少しできると思います。あと要介護5で在宅ですとオムツ代とか全て込みで、毎月の費用はどのくらいかかりますか?

回答(相談内容に対する回答とお礼)
●A1 :
介護度5の母を自宅で介護しています。だいぶ前に脳出血(右脳)で倒れ、左麻痺、飲み込み不安あり、24時間オムツ着用で常時ベッド上で生活していますが、何とか自宅で看ています。母が倒れてた当時は、私は仕事をしていましたため、しばらくの間、介護施設に預けていましたが、「やっぱり自宅で看たい。母の最期に後悔したくない」という想いが日に日に強くなり、仕事を辞め自宅に引き取る覚悟を決めました。介護をどうするか(自宅OR施設)は、それぞれの事情によりますので、一概に「こうすべき」とは言えませんが、もしも少しでも「自宅で看てみたい」という想いがおありなら、個人的には、是非とも「そうしてあげて欲しい」と言いたいです。施設には、たくさんの入所者がおられるので、一人の入所者に対し「手厚い介護」を行う、というのは、どうしても無理があるでしょうし、食事にせよ何にせよ、自分の好きなように・・という風にはなかなか行かないと思います。その点、自宅であれば、何でも自由に決められるところが魅力です。ただ、施設にも利点はあります。施設は、時間に添って運営されていますので、オムツ替えにしても、食事でも、きちんと規則正しくケアして貰えますし、深夜も見回わがあるので安心ですしね。私が自宅介護を決心するにあたり、自問自答したのは、「母がこのまま施設で亡くなったら、後悔しないだろうか?」の一点でした。そしてその答えが「いや、きっと後悔するだろう。ならば自分で看よう。施設のように上手には出来ないこともあるだろうけれど、最期に後悔しないように、出来る限りの事はしてあげよう」と思ったのです。とはいえ、自宅で介護するとなると「簡単ですよ?」というほど単純なものではありませんが、ショートステイデイサービスなどの介護サービスを最大限利用しながらでしたら、不可能ではないと思います。介護度5であれば、ショートステイも、たくさんの日数の利用が出来ますので、適度に息抜きなさるといいと思います。まずは、役所や地域包括支援センターへ行かれて、
今のお悩みを相談されるといいと思いますよ。主治医の先生が「自宅では無理」と仰るのは、きっとまいさんの負担を心配なさって、のことだと思うのですが、介護をどうするか、最終的に決めるのは家族意志ですので、引き取った後のシュミレーションをしっかりとなさった上で、主治医の先生に、ご意志を伝えれば、やみくもに反対されるということもないと思います。
最悪・・、もし自宅に引き取ってみて、「やっぱり難しい・・」と思ったら、施設に入所するのは、
その時でも決して遅くはないと思いますし、実際に自宅で介護してからの施設入所であれば、ご家族のお気持ちも納得しやすいのではないでしょうか。私は、母の笑顔を見るに付け、毎日のように「引き取って良かった」と胸が熱くなります。大変なことも時にはあるけれど、絶対に引き取って良かったとそう思えますので、迷っていらっしゃるのなら、一歩進んでみられては如何でしょうか。

◆Q :
入院中もそうですが、施設ですと介護のプロが介護してくださるので安心は安心ですが、やはり機械的、作業的になってしまうのが見ていて辛いところです。もちろん笑顔は見られません。ココアさんのおっしゃるように自宅でほっと笑顔がでるような状態ですごして欲しいものです。ただ、家庭が崩壊するとか色々なことを聞くので決断に躊躇しています。しかし、もし自分だったら自宅にいたいですね、どんなに動けなくなっても。母も同じだと思います。色々調べてみます。

◆A2 :
立位とトイレは現在「訓練中」とのことですが、歩行に関してはどうでしょうか。どの程度の回復が見込めるか確認していますか?ご本人の回復への意欲はみられますか?お父様が介助できる程度の体力や体格はおありですか?車椅子全介助ということはトイレまでは車椅子、トイレ内で立位、介助にて排泄という感じでしょうか。回復レベルが上ならトイレ内に手すりをつけて介助も可能ですが、
立位は出来ても1?2歩の歩行も難しいなら、トイレ内での介助は少し大変かもしれません。立てても体の方向転換が自ら出来ない場合は家族が介助することになります。トイレの広さも関係してきます。食事は介助にて口からということでしょうか。最近はレトルトや冷凍の介護食なども普及していますので、嚥下がなんとかなるなら大丈夫とは思いますが、お父様は現在、病院で介助などはされていますか?排泄や生活への介助など、どの程度の理解度でしょうね。時間が許すなら、老健施設を少し先の日時で確保しておき、その間在宅介護にトライしてみてはいかがでしょうか。介護者の数が少ない場合、ずっと在宅は結構きびしいと思います。お父様は主介護者ではなく「ちょっと手伝う」程度ではないかな?高齢の男性で介護の主力になるのは難しそうです。。。「施設」は必ず可哀想ではないとご理解くださいね。身体介助を施設におねがいしてお母様の精神面の安定を家族が行うと考えてはいかがでしょうか(私はそう考えています)また「入院」と「老健」では少し違うと思いますよ。出費に関しては、どの程度オムツを使うか、ヘルパーを導入するかなどで大きく違ってくると思うのでなんとも言えませんが。。また在宅を続けようと思う場合は近隣の施設で「介護度5のショートステイを受け入れてくれる施設」があるか探しておきましょう。お母様が必ずいつも弱者とは限らないからです。疲れがたまるとお父様やまいさん自身が介護から離れなければならないときもあります。また、施設が見つかれば定期的に利用しておくと急なときにも利用しやすいと思います。

●Q :
確かに父は食事をたべさせる等「ちょっと手伝う程度」できっと全て私まかせになると思います。
精神面を家族でという考え方にはっとさせられました。そう考えれば施設は必ずしも「可哀想」にはならず、介護者の方が弱者という立場にかわることが充分考えられますよね。そして急なときに利用できるところを確保しておくのも必要ですよね。医療ソーシャルワーカーさんに確認して、父にもよく話し、施設で話を進めていこうかと思います。

◆A3 :
うちで介護度5の半身不随、認知の舅を7年近く面倒見ました。とっても大変でした。月曜から土曜日までデイケアに入れ、毎日朝、おむつ替えにヘルパーに入ってもらいました。ヘルパー代、デイケア代、おむつ代、ほぼ、毎月8万円かかりました。朝の8時から、夜の5時半まで、人様にやってもらい、朝食、夕食、寝る前の着替え、おむつ替えだけ家族でやりましたが、それでもホントに大変で主人と、姑まで、倒れて要介護状態になりました。問題行動ありで、ショートはどこもお断り、デイケアだけ何とか行かせてもらって家族は休んでいました。でも7年は本当に長い、心身疲労状態になりました。家族崩壊を体験した我が家の話です。

◆Q :
すごく大変でご苦労された様子がよくわかりました。金額もかかる割には家族の負担は相当なものですね。施設で検討しようかと思っています。貴重な体験聞かせていただきありがとうございました。

◆A1 :
まいさんが一番不安に思われている点は、「具体的な」介護の大変さと費用の点とのことなので、記述したいと思います。在宅で介護するにあたり、基本的な事として(大まかですが)、
1.食事(調理・介助)
2.排泄(オムツ・便の管理など)
3.清潔保持(口腔ケア清拭・着替えなど)
4.入浴
5.体位交換床ずれ防止)
などが挙げられると思います。
1.調理 に関しては、母がむせやすく、飲み込み不安があるため、主食はおかゆ、おかずは刻んでいます。方法は、おかゆは小鍋に炊いたご飯と水を入れ、火にかけて作ります。(お米から調理していませんので、厳密にはおじやかな?)おかずは、家族と同じ調理済みの物を、キッチン鋏や包丁・ハンドミキサーで細かく刻み、口の中でバラける物は、トロミ剤でまとめます。足が疲れるので、卓上でキッチン鋏で刻むことが多いです。介助は、ベッド上での食事なので、背もたれを調節し、刻みおかずをおかゆに混ぜ込みながら、スプーンでしています(全介助
2.排泄の便の管理に関しては、超便秘症で自力で出ないので、週に2回訪問看護さんにお願いしています。オムツ交換は、大体4時間ごとで、夜間は5?6時間しません。
3.清潔保持に関しては、誤嚥が怖いので、磨きは丁寧にしますが、その他の部分は、普通に不潔にしないぐらいで、そんなに神経質にはやっていません。
4.入浴は、訪問入浴を週に一回利用しており、シーツ交換や耳掻き・爪きりなどもその時にしてもらいます。
5.体位交換は、自動体位交換機能が付いたエアマットを使用中です。
 費用に関しては、私の家庭とごっちゃにしている部分もあるので、
厳密な額は分からないのですが、「母」にかかる費用とすると、
訪問看護        800円×8回= 6400円
▽訪問入浴        1250円×4回=5000円
訪問診療        1300円×2回=2600円
▽お薬          月に       2000円前後
福祉用具レンタル代   月に       3000円
その他、雑費・食費などです。
オムツ代は、月に6200円分のオムツが、市町村から支給され、(カタログで選ぶ)今のところそれで収まっているので、負担はゼロです。因みに、母が老健にいた時には、毎月7〜8万円かかっていましたので、その時よりは、経済負担は少なくなりました。日々の生活は、大体こんな感じでしょうか。母を自宅で看る以前に、経験者の方々から、「在宅は雑費がかかるよ」と聞いていたので、介護用品等は自宅にあるもので代用したり、削れる部分は削って節約しています。母が自宅に来た当初は、体位交換が結構な負担で悩みでしたが、「体位交換機能付き」のエアマットに替えてからは、
物凄く楽になりましたので、オススメします。このマットのお陰で、夜も安心して眠れるようになりました。うちの場合は、「実の」母親なので、その点は気楽かもしれません。
介護で「大変」かどうかって、実は介護者が自分のペースで出来るか、という部分が大きいと思うんですね。例えば、他の事で忙しい時に「着替えしたい」とかその他諸々、色々なお願い事をされたとして、自分の親になら気兼ねなく言えるでしょう?「今忙しいから待ってて」とか「それは出来ないわ」とか。でも、もし義理の両親に言われたら・・。遠慮から断りづらく、「今、手が放せないのに・・」と思いながらも、無理してやってあげなくてはならない、みたいな事もあると思うんです。
で、そうした「精神的」な疲労が蓄積されて行くことが、実は一番苦しい事では?と思うんです。介護仲間の一人が、介護度4のお姑さんの介護をしているのですが、「あれやってちょうだい」「早くして」など、忙しいさなかに、毎日のように色々とお願いをされたり、たまには気分転換がしたいと思い、ショートやデイを勧めても「絶対に行かない」とか、「私を家から追い出すつもり?」などと言われ、とてもしんどい・・と聞いた時に、そうだよね・・自分の親となら、口げんかさえ出来るけれど、義理の親だとそうも行かないだろうな・・・と思いました。なので、同じ介護度5といっても、色々なケースがあると思います。認知症で夜間に徘徊したり、叫んだり、便をいじったり・・などの行為がある方だと、自宅での介護は厳しいでしょうし、介護される方の性格によっても、違って来るでしょうし。
どなたかも書かれていましたが、もし「いきなりの介護」に不安があるようでしたら、老健の申し込みをしておき、空きが出たら入所をし、時々外泊させる・・というところから始める、という方法もあるかと。介護度が高くとも、健康面が安定していれば、外出や外泊は自由に出来ますので、段々と自宅に呼ぶ回数を増やしつつ、在宅介護が出来そうかをお試ししてみると、だいぶ不安は軽減されるのではないでしょうか。自宅に引き取ることは、ある意味覚悟さえ決まれば、いつでも出来ますが、施設は、申し込んでからしばらくは入れませんので、この先どう転がるにせよ、申し込みだけでも入れておくのは賛成です。因みに、私もそうやって自宅介護までたどり着きました。母が施設にいた時には、私は働いていましたので、週末に見舞いに行き、時々外泊をさせて様子をみました。
初めて外泊をさせる時には、施設のスタッフさんにお願いして、オムツ交換や着替えなどの介護の方法を、実際に体験実習して頂きました。何しろ、毎日介護プロに教えて頂いたのでこれは本当に助かりましたね。
長くなりましたが、いきなり「引き取る」以外にも、このように色々と選択肢はあると思いますので、「これならば、出来るかも」と思える方法を模索なさって下さいね。

◆Q :
とてもとても参考になりました。金額は抑えようと思えば抑えられるのですね。在宅でも老健でも同じ費用なのかと思っていたのでそれなら介護のプロにまかせてしまおうと思っていました。ココアさんのおっしゃるように老健→外泊で様子見ながら無理なら老健、できそうなら在宅にするのは不安も解消できそうです。体位交換やオムツ換えなどに不安を感じていましたが自動体位交換機能が付いたエアマットというのは初めて知りました。また色々教えてください。有難うございました。

Q&Aを検索

「介護110番事典」の利用規約に準じてご利用下さい。