No.10315 本人に認知症であることを伝えるべきでしょうか?

質問(相談内容)
■ Q :
義父は幻覚見当識障害など様々な症状が浅く広く出ています。ところがしっかり覚醒している時間は意思疎通も健常者に近い状況です。認知症であることは本人には伝えておりませんが、伝えるほうが本人の目的意識が明確にできるのではないかという考えもあります。逆に自暴自棄になるのではという不安もあります。医療に掛かる際、本人を目の前に「認知症」という言葉や症状説明を省きながらの診察になるので、聞きたい事や医師の真意などのしっかりした先生との会話もできないことがあります。覚醒して意思疎通もはっきりできる時間帯にOFFの状況を説明しても、「そんなことしてない」「勝手な作り話をするな」「あの時は○Xだったから、こうするつもりだったんだ」など義母や私につっかかってくることもあります。そんな時も、本人にも病気の名前や今ある症状が全てその認知症(DLB)による症状なんだよって伝えたほうが本人も納得いくのではと考えたり。本人に認知症であることを伝えるべきか、そうでないべきか。伝えたとして、「治療や介護環境が前進するならば・・・・」いいのですが。

回答(相談内容に対する回答とお礼)
◆A1:
私の母(アルツハイマー)の場合ですが。告知はしていません。
先生はそれらしき事(もの忘れ)をいいますが、本人は幼い頃にやった脳症の為と思っています。アリセプトも元気になる薬と思っています。
幻覚はないのですが、同じ話は1日に5回以上、午前中の話は午後には忘れます。予定は前日に伝えても忘れます。空想で色々な話をつくりだします。ただ、本人も少しずつ感じているらしく、そのうち私に「あなたは誰?」と言うかもしれないと言います。私たち姉妹も病名を言おうか悩みましたが、症状の進み具合を検査する質問に応えられない時の、不安で恐れを感じている母をみて、言わない事にしました。それが病気であれ、なんであれ、母は5回話す内容は毎回が初めてなのです。笑いながら、聞いたよ と返す事もありますが、作り話は長くつづくと疲れます。そちらは義理のお父様ですから強くは言えないですよね。お義母さまやご主人の意向を中心に考えたらいかがでしょうか。本人の性格にもよりますが、現実を知ったらかなりショックだと思います。伝える事で本人が納得して訳の分からない事を言わなくなるとは、母をみていて思えません。ただ、若年性の方は告知をなさっている事もあるらしいので、一概には言えませんが・・・。

◆A2:
私の父は脳血管性の認知症です。多発性の脳梗塞であることがわかった時点で、「認知症」という言葉は使いませんでしたが「多発性の脳梗塞」であり治らないことを告知しました。父が健康だった時に「重大な病気は必ず告知をする」と約束していたので。「色々とわからなくなってくる」ということも話しました。
うちの場合には、告知が絶対的な信頼感につながったようです。認知症がすすんでくる間に「今に家族の顔もわからなくなるのか」と聞かれた時もありました。その時には「わからなくなるかもしれない。それでも私達にとってお父さんであることにはかわりない。私達にはお父さんがわかるから、安心していていい」と話しました。暴言がひどくなり不穏が続いた時期も、私の話すことには耳を傾けてくれることが多かったです。告知してあることで、薬や通院などの説明も本当のことを話せるので、父が納得いくまで説明することができました。
レビー、アルツハイマー、脳血管性と、認知症の原因が違えば症状も違うでしょうし、告知の是非はご本人の性格によるところも大きいと思いますが・・・
また家族が告知についてどう思っているかが要になるような気もします。
どちらがいいとはいいきれないところです・・・

◆Q :
コメント有り難うございます。お二方とも共通の御意見は本人の性格によるところが大きいとのこと。おっしゃるとおりですね。気丈に見えている人でも病気を告知されたとたん、気弱になられる方もいらっしゃるようですし、こればかりはやってみないと判らないということでしょうか。主人、義母とよく相談して考えたいと思います。お二方の御両親の今後が穏やかな生活でありますように。

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