介護保険関連 医療 ビジネス関連 一般

日本の予防医療、医療支出の約2%と低率
[日経新聞 /6月27日]

日本の「予防医療」にかけている費用が、主要国に比べて著しく低いことがわかった。経済協力開発機構(OECD)が発表した統計集で明らかになったもの。インフルエンザの予防接種やがん検診など「予防」についての費用は、2003年時点で医療費全体の2.2%。ドイツは4.7%と日本の2倍以上で、米国、フランスも日本より高い。OECD日本政府代表部は「事故を気にする国民性や、保険が適用されないため自己負担が大きいことが原因」と分析している。たとえば高齢者のインフルエンザ予防接種率は、日本が43%なのに対して英国は71%、米国は約66%と大きく差がある。

診療報酬改定で老人ホーム入居者への訪問診療が7月から認められることに/中央社会保険医療協議会
[朝日新聞 /6月22日]

中央社会保険医療協議会は、6月21日、有料老人ホームやケアハウスの入居者への計画的な訪問診療を7月から認めることに決定した。4月の診療報酬改定では末期がんの患者に限定されていたが、訪問診療がないと寝たきりの入居者が入院せざるを得なくなるという声もあり、3カ月で見直し行われることとなった。医師が入居者の病状を計画的に管理する訪問診療料と、月2回以上の訪問診療をした場合の「在宅時医学総合管理料」が新たに認められることとなった。また、医療機関と有料老人ホームで経営者や役員が同じ施設の場合、過度の診療を防ぐために訪問診療を認めていなかったが、療養病床から転換した有料老人ホームなどについては、同じ経営主体でも算定を認めることとなった。

月額1000万円を超す「高額医療」が過去最高の115件に
[日経新聞 /6月22日]

患者1人あたり月1000万円以上の医療費がかかった事例は前年度より26件多い115件となり、過去最高となった。この高額医療費が健康保険の財政を圧迫している。115件の内訳は、1位の循環器系疾患によるものが58件(前年度33件)、次いで血友病が36件(同19件)を占める。医療技術の進歩によって、高額な医療材料を使う例が増えていることが背景にある。2000万円を超す「超高額医療」も過去最高の14件に上った。高額の医療費がかかった場合、患者の自己負担には上限がある。69歳以下の一般患者なら原則3割が自己負担だが、医療費が月に1000万円かかった場合は自己負担額は約17万円ですみ、残りは健康保険が支給する。

延命治療中止で法的整備必要/尊厳死の法制化やガイドライン求める声高まる
[毎日新聞 /6月16日]

終末期医療のあり方について検討している厚生労働省の研究班(主任研究者、林謙治・国立保健医療科学院次長)は、延命治療中止について、法的整備が必要とする林次長の見解を盛り込んだ報告書をまとめた。富山県での人工呼吸器取り外し問題などを踏まえ、尊厳死の法制化やガイドライン作成を求める声が強まっている。報告書は、法制化などの難しさを指摘したもの。林次長の私見として、ガイドラインをつくったとしても「法的整備が必要ないということにはならない」と盛り込んだ。一方で、長期的には、緩和医療や在宅ケアの充実で、延命治療の中止などの倫理的・法的問題が解消される可能性があるとしている。

薬価2007年春も引き下げ/削減幅は最大10%の見込み
[日経新聞 /6月15日]

公的医療保険が医療機関に支払う医薬品の公定価格(薬価)が来年4月に引き下げられる。医療制度改革法の成立を受け、政府・自民党が検討に入った。削減幅は最大10%で調整し、約1000億円の国庫負担の軽減を見込んでいる。下げ幅が10%になれば過去10年間で最大となる。今回の見直しを樹に、薬価水準改定を毎年実施することに改める。これは薬価を市場価格に迅速に近づける狙いだ。薬価は今年4月にも削減したばかりだが、増大する社会保障費の抑制には、医療費の2割を占める薬剤費の圧縮が不可欠との判断だ。しかし薬価と市場価格との差が利益となる医療機関や、医薬品業界の反発で調整が難航する可能性もあるとみている。

「高齢者障害者移動円滑化促進法」が成立、半年以内の施行目指す
[産経新聞 /6月15日]

高齢者の歩行や車いすなどでの移動時、駅周辺などでバリアフリーが進んでおらず、苦労することも多くある。高齢者や障害者が移動しやすいまちづくりを進める高齢者障害者移動円滑化促進法が6月15日、衆院本会議で可決、成立した。同法は、病院やホテルなど建築物を対象にしたハートビル法と公共交通の旅客施設を対象とする交通バリアフリー法を一本化。駅周辺などで公園や駐車場、道路なども含めた面的なバリアフリー化が目的。半年以内の施行を目指す。

入院中心医療から在宅中心医療への転換、医療制度改革法成立
[読売新聞 /6月15日]

6月14日に成立した医療制度改革関連法には、少子高齢化に対応するためのさまざまな医療費抑制策が盛り込まれている。そのひとつが、入院中心の医療から在宅中心の医療への転換だ。厚生労働省によれば、日本の平均入院日数は36.4日で、アメリカ(6.5日)、イギリス(7.6日)、フランス(13.4日)などと比較して著しく長く、医療費増加の要因となっている。政府は2012年度までに、長期療養の高齢者が入院する療養病床を現在の38万床から15万床に削減するとしている。70歳以上の入院中の食費や光熱費を自己負担にすることも、同関連法に盛り込まれた。

売り上げ世界100位内の医薬品の3割が未承認、遅れている日本の承認審査体制
[読売新聞 /6月14日]

日本製薬工業協会・医薬産業政策研究所は、2004年の売上高で100位までの薬のうち、成分などが重複しない88製品を選び、承認状況を欧米やアジアなど66の国・地域で比較した。その結果、未承認の薬が米国0、英国1、スイス3などと先進国では大半が承認済みなのにたいし、日本は28製品(32%)もあり、全体で7番目に多かった。このうち15製品は企業が承認申請中、7製品は臨床試験中か申請準備中で、製薬企業の導入意欲は低くなかった。しかし、日本は海外での初承認から国内承認まで平均3年11カ月かかり、1年半〜2年半で承認する先進国とは開きがあった。臨床試験や承認審査の体制が整っていないことなどが要因とみられる。

高齢者医療費の抑制目的/2008年創設医療保険制度について厚労省が試算を公表
[読売新聞 /6月14日]

厚生労働省は、2008年度に75歳以上の高齢者対象にスタートする医療保険制度について試算を公表した。74歳以下の世代の保険料から支出される支援額は、08年度にはサラリーマンの政府管掌健康保険や健康保険組合、自営業者らの市町村国民健康保険の合計で3.1兆円だが、25年度には6.3兆円と倍増する。給付の見返りがない支援金の大幅増加に、74歳以下からは不満の声もきかれる。またサラリーマンの年金や健康保険、介護など保険料負担総額は、厚生年金の保険料が約5%増加するため、06年度が計24.7%(原則として労使折半)なのに対し、25年度には30%程度に高まる見通し。

腎臓病早期発見プログラムをNPOが実施。検査を無料で行う
[読売新聞 /6月2日]

特定非営利活動法人(NPO)「腎臓病早期発見推進機構」が、腎臓病になる危険性が高いと診断された人とその家族を対象に年1回の検査を行う腎臓病の早期発見プログラムを開始、参加者を募集している。検査で異常が見つかれば、専門医からの指導や薬物治療を受けることができる。同じようなプログラムはアメリカで実施されており、糖尿病による腎不全の悪化を防ぐなど一定の効果をあげているとされている。通常の健康診断にはない測定項目もあり、それらによって早期発見をおこない腎臓病の進行を抑制できるという。6月から日大板橋病院、東京女子医大東医療センター、埼玉医大の関連医療機関で実施し、全国にも検査施設を増やしていくという。問い合わせは、FAX(03-5275-9460)、同機構のホームページ(http://www.ikeaj.or.jp)から行える。

国際共同試験を活用して新薬の審査を迅速化するための指針作成へ
[朝日新聞 /5月21日]

新薬の審査を担当する独立行政法人・医薬品医療機器総合機構は、新薬の承認を欧米と同時期に行えるよう迅速化するため、製薬会社が「国際共同試験」を活用して臨床試験(治験)を行う指針を作成する。これまで日本での治験は日本人を対象にする必要があり、高いコストなどが負担となっていた。この国際共同試験は国内外での同一の実施計画を適用し、外国人のデータも承認審査に活かされる。製薬会社でつくる日本製薬工業協会も協力の姿勢を示すなどしており、宮島彰・同機構理事長は「年度内を目標に、策定したい」としている。しかし、これまで外国人データを一部利用していたがんや関節リウマチの新薬で、重い副作用を発症する例が相次いでいることから、日本人に起こる深刻な副作用をいかに早く検出するかなど、課題も残されている。

新薬のデータを製薬会社・研究機関などがインターネットで公開
[読売新聞 /5月20日]

世界保健機関(WHO)は、世界各国の製薬企業や研究機関などが行っている新薬臨床試験(治験)の国際的なデータ登録制度を、来年から運用開始し、インターネット上で公開していくと発表した。これは医薬品の副作用が発売後に次々と発覚したことを受けて実施するもので、製薬企業名、対象となる疾患、副作用など20項目のデータ提出を企業や研究機関に求めていく。すでに製薬団体など約400団体の同意を得ており、主要医学誌なども全面支援する方針だ。

日本リウマチ学会が関節リウマチ薬のがんリスクを調査へ
[朝日新聞 /5月18日]

関節リウマチの治療で効果的として用いられている「生物学的製剤」が、悪性リンパ腫などがんのリスクが約3倍高まるという米英グループの新たな報告が米医師会雑誌に掲載されたことを受けて、日本リウマチ学会が安全性調査を行うことを決めた。「生物学的製剤」は約9割の患者で効果がみられるが、免疫力の低下も招く危険性があると指摘されてきた。調査を行う宮坂信之・東京医科歯科大教授は「海外とは薬の用量も異なるため、日本人でのデータが必要だ」と話す。

がんの痛み緩和のモルヒネ投与、遺伝子で適切な回数・量を予測/厚生労働省がシステム試作
[日経新聞 /5月15日]

患者のSNPと呼ばれる遺伝子を調べて予測する技術は2、3年後に実用化予定。これにより各患者に最適な投与回数や量を簡単に知ることができ、吐き気などの副作用を最小限に抑えられる。モルヒネは体質で効きかたが大きく異なり、量が少なすぎても多すぎても副作用が出やすい。現状では医師のさじ加減に左右されて、中毒や理解不足から欧米と比べて一人当たりの使用量が大幅に少なく、上手に使いこなす医師も不足している。この技術により末期がんの痛み緩和医療が期待される。

レセプト電子請求、小規模医療機関は義務化先送り
[日経産業新聞 /4月22日]

厚生労働省は、医療機関による診療報酬明細書(レセプト)の健康保険への送付を電子化する改革で、小規模な医療機関は最長で2013年3月末まで義務付けを先送りする方針だ。毎月の患者が100人未満などの機関が対象。オンライン化でコスト負担が重くなる可能性があるためで、これらの機関には日本医師会など医療団体による代行請求も認める。患者数が少ない医療機関などからは「投資負担が重い」といった声も根強く、最長2年間、従来どおり紙での請求も認めることにした。

「がん悪化」告知控える傾向に/厚労省調査
[産経新聞 /4月22日]

がん患者の容体が重くなるほど、医師が病状や治療内容の告知を控える傾向の強まることが、厚生労働省の「尊厳死に関する研究班」の調査で分かった。がんの告知したかどうかでは、患者の半数以上に告知した医師は44%で、1割に満たない患者にしか告知しなかった医師は29%だった。「がんの再発」については、半数以上が33%、1割未満が42%となり逆転した。「余命」の告知では半数以上10%、1割未満67%で、容体が重いケースほど告知した患者の割合が小さくなった。

脳細胞が死なないメカニズムを解明/東京大学
[毎日新聞 /4月21日]

年齢とともに脳細胞は減るが、頭をよく使うと脳細胞が死なないのはなぜか。このメカニズムを東京大の緑川良介特別研究員と広川信隆教授らが解明した。広川教授らは、細胞内で物質を運ぶ役割を担う「KIF4」というたんぱく質に着目。あまり使われない神経細胞では、損傷した遺伝子の修復にかかわる酵素「PARP1」と結合し、酵素の活性が失われ細胞死を導くことが分かった。一方、よく使う神経細胞では、細胞の活動によりカルシウムが多く流れ込み、酵素が変形(リン酸化)してKIF4と結合しないため細胞死を免れていた。

アルツハイマー病引き起こす異常たんぱく質の蓄積要因判明
[読売新聞 /4月20日]

アルツハイマー病やパーキンソン病などを引き起こす神経細胞への異常たんぱく質の蓄積の一因は、細胞内の新陳代謝を担う「自食作用」の喪失であることを、東京都臨床医学総合研究所と順天堂大学の研究チームが突き止めた。研究チームは細胞内のたんぱく質を定期的に分解する「自食作用」(オートファジー)に着目。この働きを失ったマウスは、神経細胞に異常たんぱく質が蓄積して塊を作り、神経変成疾患に似た運動障害を起こすことを確認した。

抗加齢治療の実施施設を認定、専門性を明確に/日本抗加齢医学会
[日経新聞 /4月17日]

抗加齢治療とは老化を防ぐための治療のこと。現在の実施施設は全国で1000以上あるといわれるが、医師が副作用を十分に理解せずに治療を実施するなどの問題も起きているため、専門施設を認定し、患者が安心して診察を受けられるようにする。認定施設には、同学会の所定の研修などを受けた認定医と指導士が勤務する医療施設の中から選ぶ。具体的には専門医2人以上か、専門医2人と指導士2人以上が常勤すること。まず10施設程度を認定し公表する予定。

脳を究めるサロンに、ロボット工学や脳外科等の第一人者ら100人参加/一般会員も募集、対外活動を活発に行なう
[読売新聞 /3月28日]

「脳を活かす研究会」の中心メンバーは、理化学研究所の甘利俊一氏や慶応大学の安西祐一郎塾長、ATR脳情報研究所の川人光男所長、評論家の立花隆氏ら。
 議論のテーマは、人の意図などを脳から読み取る技術、脳から取り出した情報でコンピューターやロボットを動かす技術、脳に電気信号を与えて失われた視覚や聴覚を補ったりする技術――など。脳研究における倫理問題も重大なテーマとして扱うという。その他一般向けの講演会も開催するほか、各省庁の科学推進施策に対する政策提言なども積極的に行なう。

男性型脱毛症の治療薬、フィナステリド発売/厚生労働省より承認、万有製薬
[朝日新聞 /3月20日]

内服育毛薬は国内初。健康保険の適応はなく、参考価格は1錠あたり250円。男性型脱毛症は30歳以降に増え始め、日本人男性の3人に1人が悩まされているといわれる。フィナステリドは、服用後3か月あたりから効果が出始め、半年から1年でピークに達し、服用を続けるかぎり高いレベルで効果が持続できるという。国内の臨床試験では服用後1年で5割強の脱毛部分に頭髪が増えた。ただし、根本的な治療ではないため、服用をやめれば再び脱毛が進行する人もいる。顕著な副作用はほとんど認められなかったが、妊娠中の女性の場合は胎児影響があるため、投与は男性に限られる。

薬の副作用などは、HP「患者向医薬品ガイド」でチェック/糖尿病やリウマチなどの処方薬の説明書を、やさしく患者向けに解説
[読売新聞/3月13日]

薬の説明書は詳しく書かれているが、医療者向けのため記述も難しい。薬局独自の説明書もレベルはまちまち。そこで厚生労働省研究班が、わかりやすい説明書のひな型を作成。ひとつの薬につきA4判5頁ほどあるが、約3頁が副作用や使用上の注意に割かれている。副作用症状を体の部位別の表にまとめるなど、患者がチェックしやすい工夫もされている。だが説明書はあくまで一般論なので、具体的な不安や疑問点は、直接、信頼できる薬剤師に尋ねることだ。 医薬品医療機器総合機構の情報提供ホームページはhttp://www.info.pmda.go.jp/

診察時に発見した健康食品被害をデータベース化、被害集中のケースは厚生労働省に通報/日本医師会
[読売新聞/3月8日]

データベースは来年度に東京都医師会でモデル事業を実施し、全国運用につなげる考え。健康食品は人体への影響を確認する臨床試験が義務づけられておらず、特定の食品で健康被害が相次ぐこともある。健康食品を使用している患者の異変に気づいた医師が日医へ情報提供して構築し、件数や重症度など5段階に分け、医師会会員向けのHPに掲載。死亡例が出るなど急を要する場合には、日医が情報を公表することも検討している。中国製ダイエット食品で健康被害が相次いだほか、アガリクスを使った一部の製品に発がん促進作用が確認されているため、今回の運用に至った。

心臓カテーテル検査、好きな音楽でリラックスして安全性向上/北海道の岩見沢市立病院調査
[毎日新聞/3月8日]

心臓カテーテル検査時に、患者が緊張して血管が収縮するとカテーテルが血管を傷つける恐れがある。今回の調査では、好きな音楽を聴いた患者の方が聴かない患者より血圧が下がり、リラックスして検査に臨めることが分かった。検査室に入室直後と約20分後のカテーテル挿入時の血圧を調べたところ、好みの音楽を検査室で流した17人は、挿入時の最大血圧が入室直後より平均で44mmHg下がった。環境音楽を聴いてもらった8人も26mmHg下がったが、音楽を聴かなかった9人は逆に6mmHg上がった。脈拍数は各グループで大きな変化はなかった。

禁煙補助薬「ニコチンパッチ」の歯科医処方は違反か/歯の汚れで禁煙する患者増加、歯科医の禁煙指導は効果的
[毎日新聞/3月6日]

貼ると体内にニコチン成分が浸透し、ニコチン切れによる禁断症状が緩和されて禁煙に効果があるというニコチンパッチは、本来医師でなければ処方できない。たとえ患者の要望でも厚生労働省は「歯科医の処方は医師法違反」と見ているが、歯科診療での禁煙指導は効果的との声もある。厚労省によると、副作用は皮膚炎やじんましんなどで、死亡例はない。歯科医がHPなどで宣伝したり、処方を促している自治体もある。歯科診療は歯周疾患の治りが悪いなど、見た目で喫煙の悪影響が分かるため、歯科医による禁煙指導は効果的との意見もあり、厚労省の今後の対応が期待される。

重い副作用を伴う抗がん剤治療、初の「専門医」/初回認定試験で、日本臨床腫瘍学会が47人を認定
[読売新聞/3月6日]

「がん薬物療法専門医」は(1)白血病や呼吸器のがんなど3領域以上のがん診療の経験がある(2)抗がん剤治療の実績ある施設で5年以上、30症例以上の臨床経験がある医師に認められる。資格は5年ごとに更新し、改めて筆記試験が課せられる。抗がん剤治療の専門医は、国内で3000〜4000人が必要とされているが、薬物療法の講座を持つ大学が少ないこともあり、現在は約1000人と不足している。今後も年1回、認定試験が行なわれ、2007年度までに約200人の認定を目指す。今後は放射線治療など幅広い専門知識を持つ「がん治療認定医」も新設する予定。

ココア成分摂取で血圧が下がり、心疾患死亡減/オランダの研究チームの追跡調査、米医師会雑誌に発表
[読売新聞/3月6日]

調査は健康な65〜84歳までのオランダ人男性470人が対象。ココア(成分)摂取量で3つの群に分け、1985年から15年間追跡した。最もココアを多く摂取したグループ(1日摂取量平均4.18g=ココア飲料約1杯分)の血圧は、摂取ゼロのグループに比べ、最高で平均3.7mmHg、最低で平均2.1mmHg低かった。心疾患で亡くなった152人について、体重や喫煙などの要素を考慮してもココアの摂取量が最も多いグループの死亡率は少ないグループの半分。研究チームは「ココアによる降圧作用だけでなく、ココアに含まれる抗酸化物質などの要因が考えられる」としている。

大まかな明細付領収書の無償発行、4月から医療機関に義務付け/2006年度診療報酬改定案
[毎日新聞/3月6日]

領収書には大きく分けて、初・再診料や注射など健康保険が適用される「保険」と、差額ベッド代など全額自己負担が必要な診療の「保険外負担」がある。厚生労働省はその明細をしるした領収書発行に努めるよう、医療機関に求めている。医療機関が明細を出さない場合は、患者本人が要求すれば、健康保険組合に診療内容や費用が細かく書かれているレセプト(診療報酬明細書)の開示を請求できる。すでにレセプトと同一の内容を記載した明細付き領収書の発行を始めた公立病院もある。厚労省は4月から、診療報酬点数の一覧表をHPに掲載する方針。

脳を柔軟な状態に保つたんぱく質を発見/理研、東大などの研究チーム
[日経新聞/2月28日]

今回発見されたのは、成長期を過ぎて固まった脳の神経細胞を再び柔らかくする「テレンセファリン」というたんぱく質。神経細胞を固めてしまう物質は知られていたが、柔らかくする物質は初めて。学習や記憶などの機能を担う部分に存在する。大人でも訓練によって記憶力が高まったりする脳のメカニズム解明につながるとして注目されている。研究チームには理研、東大のほか大阪大、東京医科歯科大、科学技術振興機構の研究者らが参加している。

副作用情報「医師に説明して欲しい」7割、「医師から説明を受けた」3割/製薬業界団体「くすりの適性使用協議会」が2000人対象に調査
[朝日新聞/2月27日]

調査は20〜69歳の処方が必要な薬をもらった人が対象(FAX・1607人回答)。内容は、薬をもらう時に知りたい情報と医師や薬剤師から実際に説明を受けたか。副作用が出た時の対処方法については、25%が知りたいと答えたが、説明を受けたのは8%にとどまった。一方、服用方法については、知りたいと答えた人は36%だが、79%が説明を受けている。処方された薬について不安に思ったことがあるかどうかは、時々あるが54%、よくあるが5%。協議会は「医師や薬剤師は患者の立場で説明してほしい」と話している。

6割が医療制度に不満、制度決定に市民参加を要望/日本医療政策機構、4000人アンケート結果
[朝日新聞/2月23日]

回答率は25%。医療技術の質よりも制度決定への市民参加度への不満が多かった。また医療制度改革をだれが主導すべきかについて「市民・患者代表」が64%、「専門家・有識者」(53%)、「医療提供者」(48%)、「厚生労働省」(42%)。医療費が増える場合の財源は、税金、患者窓口負担、保険料の順。「予防が可能な生活習慣病は患者負担を重くすべきだ。そうすれば健康管理が進み、医療費負担もより公平になる」との考えは56%が肯定している。

年金受給直前の、請求書類等の送付サービス開始、返送でも手続き可能/記載内容を確認することが重要
[読売新聞/2月20日]

従来は自ら社会保険事務所などに出向く仕組みだったため、請求忘れや加入期間の記入漏れや、請求書の受け取り・提出で2回行くのが一般的だったが、今回の送付サービスでは、あらかじめ氏名や基礎年金番号等が印刷され、戸籍謄本などと共に返送あるいは社会保険事務所に持参すれば手続き終了。60または65歳になる3ヶ月前に送付される。社会保険庁ホームページ(http://www.sia.go.jp/)の年金相談コーナーを参照。請求書等のサンプルも掲載されている。問い合わせは「ねんきんダイヤル」(0570・05・1165)。

医療の「値段」確認できます/診療報酬の点数一覧、厚労省HPに掲載へ
[毎日新聞/2月19日]

4月からHPに診療報酬点数一覧が掲載されることになった。医療機関に対して医療費の内容が分かる領収書の無償発行を義務付けられたが、診療の明細までは明記されず、HPの点数表を見ても大半の患者は具体的な医療内容を確認できない。明細付き領収書の発行は医療機関の努力義務となっているため、患者が求めた時に限って「詳しい領収書の発行に努めるよう」通知で促すにとどまっている。そのため明細付きの領収書の発行を義務付けるべきとの声もあがっている。

健康食品は本当にがんに効く?/厚生労働省研究班が、春から抗がん力を検証
[朝日新聞/2月17日]

これまで人間での検証はほとんどなかったが、国内の5、6施設が参加して、ごく早期ですぐに治療を始める必要がない前立腺がんの患者に協力を求めて実施する。キノコ類の健康食品をとってもらい、前立腺特異抗原値の変化や副作用を調べる。将来は食べた群と食べない群とに分けて調べる計画。健康食品をめぐっては、一部で肝障害などとの関連が指摘されているが、この試験で無駄なお金と時間を費やすことになるのか、多少でも意味があるのかが分かるかも知れないと期待されている。

保険証の裏面に臓器提供意思欄を設ける/政管健保で厚労省方針、臓器移植への理解を広める狙い
[朝日新聞/2月17日]

2006年度の新規発行分から開始。記入は任意。脳死と判定された場合に臓器を提供▽心臓が停止した場合に臓器を提供▽臓器提供しない、のいずれかに○を付けて署名する方式。「健康保険証に設けると強制的な印象を受ける」「意思表示の有無で、受けられる医療が変わらないことを確認したい」などの慎重論もあるが、臓器移植や「意思表示カード」等が広がらない現在、患者団体などが保険証や免許証に意思表示欄をつくるように要望していた。

「内臓脂肪症候群」予防に重点、健診抜本改革へ/厚生労働省、医療給付費増大を抑制する狙い
[読売新聞/2月16日]

糖尿病や心臓病など生活習慣病全般の早期発見のための予防保健指導を強化し、健診プログラムを全国で標準化、2008年度から実施する方針。個人の健診結果は電子データで生涯記録し、検査数値の変化や病気予測に基づく指導も行う。放置すれば2025年度に56兆円に倍増する医療給付費を48兆円に抑制するため、同省では医療給付費の約3分の1を占める生活習慣病の予防重点化などを表明しており、今回の改革となった。

人格尊重認知症ケア「パーソンセンタードケア(その人を中心にした介護)」始まる/ゆったりとケアすることで、高齢者が落ち着く場合も
[読売新聞/2月15日]

英国ブラッドフォード大学の故トム・キットウッド教授が提唱した手法で、「認知症介護マッピング」により評価者(マッパー)が、高齢者の行動を5分ごとに6時間以上にわたって観察、記録する。特に認知症ケアは急がせない・無視しない・「もの扱い」しないことに加え、性格や趣味、個人の歴史などを知ったり、縛らない、薬を使わないなどで落ち着きを取り戻すことも多い。医学的には改善しないことが多いが、その人らしさを大事にすることを考えればケアも工夫できる。パーソンセンタードケア関連の本も相次いで出版され、具体的な方法論も書かれているため注目されている。

医薬各社アルツハイマー病薬の開発進まず
[日経新聞/2月9日]

米系ヤンセンファーマなど医薬各社のアルツハイマー型認知症治療薬の製品化計画に遅れが目立ち始めた。臨床試験で十分な効果を示せず、追加の試験が必要になったり、断念したりするケースが相次いでいる。同治療薬は日本国内で1000億円規模の大型市場に成長するとの予測もあるが、病気の根本原因が判明しないため臨床試験で有効性を証明するのが難しく、各社は新規参入に苦労している。

薬のネット販売規制案見直しを/ネット薬局が要望書
[ITメディアニュース/1月19日]

ケンコーコムなど、医薬品のネット通販を行う薬局・薬店14社から成る「インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会」(ネット薬局の会)は、医薬品のネット販売規制を含む薬事法改正案の見直しを求める要望書を、厚生労働大臣に提出した。厚労省は、今年3月の通常国会に提出する予定の薬事法改正案で、副作用のリスクが高い医薬品の販売を、薬剤師による対面販売に限定する方針。この法案が通った場合は「現在ネット販売している医薬品の8〜9割が売れなくなる可能性がある」ため、同法案の見直しを求めている。

関節リウマチ治療薬の副作用を予測/東京女子医大などが遺伝子を解析
[日経新聞/1月13日]

東京女子医科大学の膠原病リウマチ通風センターと東芝、NTTデータは共同で、関節リウマチ治療薬の副作用などを事前に予測するシステムを開発し、臨床研究で使い始めた。患者の遺伝子から個人差を解析して副作用の起こりやすさを予測し、投薬法など治療方針の決定に役立てる。膠原病リウマチ通風センターには約6000人の患者がかかっており、臨床研究で症状の改善効果が統計的に明らかになり次第、他の医療機関にもこのシステムを提案していく考え。

薄型で軽量の血糖測定器/ニプロ
[日経産業新聞/1月13日]

ニプロは自分で血糖値を測れる「ニプロフリースタイルメーター」を刷新し、薄型で軽量化した新製品を発売した。厚さは従来の25ミリから17ミリに、重さは約57グラムから約40グラムとなり、より携帯しやすくした。血糖値を表示する画面の大きさは従来の縦30ミリ、横27ミリから縦33mm、横28mmと大きくし、見やすさに配慮した。採血するための専用器具とセットで価格は8800円。

早朝高血圧を確認できる自動血圧計/オムロンヘルスケア
[オムロン/1月13日]

オムロンヘルスケアは、家庭用自動血圧計の新製品「HEM-7020」を発売した。早朝高血圧を確認する機能を備えているのが特徴。朝と夜に測定した血圧値を記録し、朝の血圧の1週間平均値が家庭血圧の基準値である135/85mmHgを超えた場合は、「早朝高血圧マーク」が表示される。操作パネルの「朝平均」「夜平均」ボタンを押せば、それぞれの時間帯の1週間の平均血圧値を見ることができる。

がん判別率85%以上/東レと京都大学が診断チップを共同開発
[日経新聞 /12月24日]

東レと京都大学は、内視鏡検査などで採取する耳かき1杯ほどの組織をもとに、がんか否かを高精度で判別し、転移のしやすさも予測できる病気診断チップを共同開発した。対象は食道がんと腎臓がん。判別率は85%以上で極めて高い。東レが作製した、一般的なガラス基板より100倍以上感度の高い合成樹脂基板のチップを活用している。京都大学ではすでに臨床研究が始まっており、2年以内の製品化を目指す。

お風呂でも使える携帯型心電計/フクダ電子が開発・販売
[日経新聞 /12月21日]

医療機器メーカーのフクダ電子が、防水性能を備えた携帯型心電計「デジタルウォークFM-180」を開発し、病院への販売を開始した。装着したまま入浴できることから、普段の生活サイクルに即したデータ採取が可能。風呂上がりには心臓に負担がかかり、疾病の兆候が表れることが多いが、今までの機器では対応できなかった。不整脈や心筋梗塞などの疑いがあり、病院で取る安静時の心電図での異常発見が難しい患者に用いられる予定。

血栓を超音波で破壊/脳梗塞や心筋梗塞に新たな治療法
[日経新聞 /12月19日]

帝京大学の丸山一雄教授、東京薬科大学の根岸洋一講師らは、超音波で血管内の血の塊(血栓)を壊すという、脳梗塞や心筋梗塞に対する新たな治療法を開発した。超音波治療だと患部を的確に狙えるうえ、血管を傷付ける恐れもない。現在はカテーテル(細管)などを使う治療法が主流だが、この医療装置は最低でも1億円する。今後は、1000万円以下を目標に専用装置の開発を進め、2〜3年後の臨床試験実施を目指す。

心臓機能と血圧を24時間計測/金沢大学が携帯機器を試作
[日経新聞 /12月16日]

金沢大学の山越憲一教授らのグループが、血圧と心臓のポンプ機能を連続計測できる携帯機器を試作した。身体に取り付けて使う装置で、心臓病や高血圧など生活習慣病の患者の状態を1日を通して調べられ、正確な診断や病状管理に役立つ。測定データを外部から医療機関などに無線で伝送することも可能。研究開発・販売のために設立したタックメディカ技術研究所がメーカーに製造委託し、事業化を進める。

前立腺がん用ワクチンを開発/グリーンペプタイド
[日経新聞 /12月16日]

創薬ベンチャー企業のグリーンペプタイド(福岡県久留米市)が、久留米大学の伊東恭悟教授らの考案した基礎技術を使い、前立腺がんの治療ワクチンを開発した。従来のホルモン療法が効かなくなった末期患者が対象。58人の患者に行った調査では、生存期間が1.5倍の17カ月に延びた。前立腺がんの患者数は約2万人だが、高齢化を背景に患者数、死亡者数とも増加傾向にある。医薬品として承認を受けるため、2006年2月から臨床試験に乗り出す。

テルモ、480日分の体温を記録できる婦人体温計を発売/「WOMAN℃(ウーマンドシー)C520」
[Med Wave /12月15日]

色はスイートピンクとピュアホワイト。主な特徴は、(1)測定時間が25〜40秒と短い、(2)480日分の計測値を自動的に記録してグラフ表示できる、(3)基礎体温の計測に適した覚醒直後の利用に配慮した。目覚ましアラームを内蔵しており、アラームが鳴ると同時にバックライトが点滅。また、検温終了時にも完了アラームが鳴ってバックライトが点灯するので計測値を見やすい、など。

がん細胞の増殖を止める鍵となるたんぱく質を発見/アメリカの日本人教授ら
[朝日新聞 /10月4日]

がん細胞の増殖を止めるカギになるたんぱく質『p600』を、米ハーバード大の中谷喜洋教授(分子生物学)らの研究チームが発見した。がん細胞内で、p600の増殖を妨げたところ、がん細胞は増殖を止め、次々と自滅したという。正常細胞には影響がなかった。実験の結果では、子宮頸(けい)がん、骨肉腫、乳がん、直腸がんの細胞で、がん細胞は10%以下になった。胃、小腸、大腸、肺、卵巣、前立腺の各がん細胞でも、同様のp600の異常増加が起きていることから、「ほとんどすべてのがんで効果が期待できる」とみている。ただ、人体への臨床応用には、p600に結びついて過剰な働きを抑え、しかも毒性のない物質の開発が必要になる。

税制改正で現役並み所得者が80万人増加/医療費負担も「1割」から「3割」に
[毎日新聞 /10月4日]

06年度の税制改正で老年者控除が廃止となり、公的年金等控除も縮小されるため、年間課税所得が145万円以上の“現役並み所得者”の高齢者が急増する。現在、70歳以上の人の窓口負担は1割だが、新たに2割負担となる70〜74歳の現役並み所得者が、約80万人増えることが厚生労働省の調べで分かった。同省では、06年度の医療制度改革で、現役並み所得者の窓口負担を現役と同じ3割に引き上げる方針を示している。新たに現役並みとなる80万人の負担は、来年4月から現行制度に則して2割となり、同法案が成立すれば、来年10月にも制度上3割となる。

歯の多い高齢者は健康/医療費にも明確な差が
[読売新聞 /10月4日]

自分の歯が20本以上残っている70歳以上のお年寄りは、4本以下と比べ、身体の病気による医療費が1カ月平均約9000円も少ないことがわかった。兵庫県国民健康保険団体連合会などの調査による。残存歯数が4本以下の人は、歯科以外の医療費が平均2万6500円だったのに対し、20本以上の人は1万7800円。一方、病気別の平均通院日数では、神経系の病気(パーキンソン病、アルツハイマー病など)では、残存歯数20本以上の人が2.17日なのに対し、19本以下の人は3.56日。循環器疾患(高血圧、心疾患、脳こうそくなど)でも20本以上が2.48日に対し、19本以下は2.82日と、残った歯が多い人ほど通院日数が少なく、健康状態の良好さをうかがわせた。

人間ドック受診者の約9割に異常を確認
[読売新聞 /10月3日]

昨年1年間に人間ドックを受診した人の88%に、生活習慣病や、それにつながる異常が認められたことが、日本人間ドック学会の調査でわかった。異常が多かった背景として、食生活などの欧米化に加え、小さな異常もとらえる検査技術の向上があるとみられている。異常なしと判定された人は全体の12.3%(男10.7%、女15.0%)で、前年より1.0ポイント減少。20年前の1984年(29.8%)と比較すると17.5ポイントも減っていた。異常が多かった検査項目は、肝機能異常がもっとも多く、高コレステロール、肥満、腎・膀胱(ぼうこう)疾患、高血圧などが続いた。女性の場合、高コレステロールがもっとも多かった。

診療報酬圧縮、患者負担見直しで医療費抑制/医療制度改革試案
[日経新聞 /10月1日]

厚生労働省は、10月中旬に公表する医療制度改革試案の骨格を固めた。最大の焦点である医療費抑制策では、入院費を1日あたりの定額で支払う方式を大幅に拡大し、来年度の診療報酬を数千億円規模で圧縮する。一方、高齢者を中心に患者負担の見直しも行われる。長期入院する高齢者などの食費や住居費を医療保険の対象から外し、患者の自己負担を求めることを検討。所得の高い高齢者の窓口負担を、現行の2割から3割に引き上げる案なども盛り込まれた。こうした短期的対策とともに、都道府県単位で病気の発症そのものを抑える中長期的対策を組み合わせ、自然増する医療費の膨張を抑える。

飲酒後の呼気で、食道がんの危険性を簡単予測
[日経新聞 /9月30日]

国立がんセンターは、食道がんになる危険性を、飲酒後の呼気から簡単に予測する手法を開発した。酒が体内に入ると、アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素と、アセトアルデヒドを無害の酢酸に分解する酵素が働く。アセトアルデヒドの分解酵母を作る遺伝子は1型と2型があり、両親からどの遺伝子を引き継いだかで酒に強いかどうかが決まる。酒に強い1型と、弱い2型をひとつずつ持つ人が酒をよく飲むと、食道がんの発生率が非常に高まるという。今回、少量飲酒した人の呼気に含まれるアセトアルデヒド量を調べれば、その人の遺伝子タイプが判別できることを発見。

唾液や涙の分泌に必要なたんぱく質を発見/肥満予防などに効果期待
[日経新聞 /9月30日]

科学技術振興機構と理化学研究所は、唾液や涙、消化液などの分泌に不可欠なたんぱく質を2種類突き止めた。遺伝子操作によって、この2種類のたんぱく質を持たないマウスを作ったところ、唾液が足りないために固形のエサを食べられなかった。水分をよく含むエサはよく食べたが、消化液が不足しているため体内に吸収できず栄養失調になった。今後、研究成果を発展させれば、唾液や消化液の分泌を調整して肥満を予防したり、涙の分泌を促すことが期待できる。

高齢者の説明不能な肥満度減少は、アルツハイマー病の徴候
[Med Wave /9月29日]

肥満指数(BMI)の減少は、アルツハイマー病の発症リスク増大に関与していることが、米Rush大学のAronS.Buchman氏らの行った調査で明らかになった。発症前から定期的に行った、BMI値の調査・研究による。BMI値が年間1減少した人は、変化がなかった人に比べ、試験期間中にアルツハイマー病を発症するリスクは約35%増加した。またこの結果は、慢性疾患や年齢、性別、教育レベルなどを補正した後でも、変わらなかったという。研究グループによると、高齢者で説明不能なBMI値の減少が見られる場合には、アルツハイマー病の初期徴候であり、その後に明らかな記憶障害が始まる可能性があることを示唆する結果だという。

血液1滴で薬の副作用などが判明する、世界初の全自動装置を開発
[日経新聞 /9月28日]

血液1滴だけで、薬の効き方や副作用を左右する個人の遺伝子の違いを全自動で調べられる装置を、理化学研究所、島津製作所、凸版印刷が共同開発した。1滴の血液を装置にセットすると、1時間半後に1種類の薬について結果が出る。全自動化は世界初。従来は、遺伝子を調べるための前処理があって半日ほどかかっていた。検査の専門家がいなくても使えることから、小規模な医療機関でも使いやすく、患者の体質に合わせて最適な薬を選ぶテーラーメード医療の普及につながる。

インスリンを分泌する細胞の増殖に成功、糖尿病治療に期待がかかる
[読売新聞 /9月26日]

血糖値を下げるインスリンを分泌するすい臓のベータ細胞を、必要なだけ増殖させることに、岡山大大学院の田中紀章教授(消化器・腫瘍外科学)、小林直哉助手らのグループが成功した。ベータ細胞が破壊されてインスリンを作れない、1型糖尿病の治療への応用が期待される。分離したベータ細胞に、増殖を続ける遺伝子を組み込んだもので、細胞が十分に増えたところで、この遺伝子を特殊な酵素で切ると、増殖が止まる。この細胞を必要量だけマウスの腎臓に移植すると、2週間以内に血糖値が正常になり、30週間維持された。インスリン分泌過剰による低血糖は起きず、がんの発生もなかった。移植しない糖尿病マウスは10週間以内に死んだ。

血中たんぱく質解析で、がん治療効果を予測
[日経新聞 /9月26日]

国立がんセンター研究所は、進行したがん患者の血液1滴を分析し、抗がん剤などを使う治療法の効果を予測する新手法を開発した。高精度でたんぱく質を分析できる「質量分析装置」で患者の血液を調べ、独自の解析ソフトでデータを解析したところ、効果を事前に予測できる可能性があることが判明。食道がん患者で判定可能なことを確認し、大腸がん患者でも研究を進めている。研究が進めば、無用の副作用に悩むのを回避できるほか、正確な診断が可能になる。

アルツハイマー病には緑茶成分が効く?マウス実験で効果
[産経新聞 /9月21日]

遺伝子操作でアルツハイマー病に似た状態にしたマウスの脳に、緑茶から抽出したカテキンの一種を毎日注射したら治療効果があったと、米サウスフロリダ大の研究チームが発表した。その物質は、抗がん作用が知られる「エピガロカテキン3ガレート(EGCG)」と呼ばれるもので、アルツハイマー病を発症させる、ベータアミロイドの形成を妨げる働きがあると推定される。今後、EGCGをマウスにのませても治療効果があるか、実験し、人間でも成功すれば、アルツハイマー病の飲み薬を開発できると期待される。ただし、緑茶にはEGCGの作用を相殺する成分も含まれるため、ただ緑茶を飲んでも効果はない。

脳を活性化させるCDで認知症防止/和歌山県医大・板倉教授らが制作
[毎日新聞 /9月19日]

ラジオでレギュラー番組を持つ和歌山県立医大の板倉徹教授(脳神経外科)とテイチクエンタテインメントが制作した、脳を活性化させ認知症(痴呆)防止に効果が期待できるというCD「脳知(のうち)改革」が注目されている。音と言葉という限られた情報のラジオでは、想像力が膨らみ、脳全体がまんべんなく活性化されるという。
CDは2枚組みで約120分。認知症の治療と予防、男女の脳の違いなどについて、医学的見地から板倉教授が解説。また、右脳を刺激するため、ハープ奏者の内田奈織さんの演奏や川のせせらぎも収録されている。板倉教授は「普段の講演同様、脳の働きなどについて、科学的に分かりやすく説明した。多くの人に聞いてほしい」と話している。問い合わせはテイチクエンタテインメント(03-5778-1715)。

健康診断で「異常あり」、10年後の医療費は「通常」の最大3倍に
[朝日新聞 /9月17日]

健康診断を受けた時に「血圧」や「血糖値」などの項目で「異常あり」と診断された人は、「異常なし」だった人よりも10年後の医療費が最大3倍超かかっていることが、政府管掌健康保険を運営する社会保険庁の調べでわかった。健診の結果がその後の医療費にどう影響しているのかを詳細に分析した調査は同庁で初めて。例えば血糖値で異常なしだった人は10年後の医療費が1人当たり約16万2000円だったのに対し、異常ありの人は平均で約27万2000円。さらに、4項目とも異常なしの人の医療費は約14万3000円だったのに対し、すべてに異常ありだった人は約45万1000円で3倍超。同庁では「透析では1人当たり年間約550万円の医療費がかかるとされ、こうした重度の糖尿病患者らを含めて調べれば、さらに差が開く」とみている。

アルツハイマー病の原因たんぱく質、目の難病引き起こすことが判明
[毎日新聞 /9月16日]

アルツハイマー病の原因たんぱく質「ベータアミロイド」が、悪化すると失明する恐れもある難病の加齢黄斑(おうはん)変性症を引き起こすことを東京医科歯科大大学院研究チームが突き止めた。加齢黄斑変性症とは、目の網膜の中心部にある黄斑という組織の細胞が加齢と共に壊れ、視力を徐々に失う病気。破れやすい血管が黄斑にでき、出血することで細胞の破壊が進むが、理由は不明だった。加齢黄斑変性症は欧米では高齢者の失明原因のトップ。日本でも国が特定疾患に指定し、患者は約30万人とも言われる。

不規則勤務男性は前立腺がんになりやすい/文部科学省大規模疫学研究班の調べ
[毎日新聞 /9月16日]

昼夜を問わず不規則な勤務をする男性は、主に昼間だけ働く男性に比べ、3.5倍も前立腺がんになりやすいことが、文部科学省大規模疫学研究班の調べで分かった。調査対象は40〜79歳の男性約1万6000人。追跡調査中に前立腺がんになったのは55人。日勤グループで38人、夜勤グループで6人、交代制勤務グループで11人。家族に前立腺がんの患者がいるかどうかや年齢、地域差などを考慮して比べたところ、交代制勤務グループは日勤グループに比べ3.5倍前立腺がんになりやすかった。日勤グループと夜勤グループの間では、前立腺がんのなりやすさに統計的な違いはなかったが、夜勤のみの場合、夜型リズムに体が比較的順応しやすいためとみられる。これまでの研究によると、不規則な勤務で体内時計が乱れ、前立腺がん細胞の増殖を抑えるホルモンの一種、メラトニンの分泌量が落ちるとされている。

女性ホルモン、肺がんの危険因子でも/厚生労働省研究班が大規模追跡調査
[読売新聞 /9月15日]

乳がんとの関連がよく知られる女性ホルモンが、肺がんの危険因子でもあることを、厚生労働省研究班が、1990〜94年に40〜60代で、喫煙しない女性約4万4700人が対象とした大規模な追跡調査で突き止めた。初潮と閉経の年齢によるグループ別の比較では、初潮から閉経までの期間が最も短いグループ(初潮16歳以上、閉経50歳以下)が、最も肺がんの危険性が低く、他のグループの半分以下。最長のグループ(同15歳以下、51歳以上)の場合、最短グループに比べ、危険性が2.5倍高まった。また、子宮や卵巣の手術で閉経し、ホルモン剤を使用している女性の場合、自然閉経した女性に比べて、約2倍高まった。女性ホルモンは乳がんの危険因子のひとつだが、たばこを吸わない人にも多い肺の腺がんは、女性ホルモンと関連する可能性が指摘されていた。

特殊な免疫細胞で末期がん患者延命/理化学研究所と千葉大の臨床試験
[読売新聞 /9月15日]

人体の免疫を担う「NKT細胞」と呼ばれる特殊な細胞を活用したがんの新しい免疫療法で、末期の肺がん患者を延命できることが理化学研究所と千葉大の臨床試験で明らかになった。免疫には、異物が体内に侵入すると最初に働く「自然免疫系」と、それでも撃退できない場合に機能する「獲得免疫系」があり、研究チームは、両方の免疫系に働くNKT細胞に着目。従来の治療が効かない肺がん患者9人から摂取した特殊な免疫細胞(樹状細胞)にNKT細胞を増やして体に戻したところ、樹状細胞1億個を戻した患者3人のうち2人で、がんの増殖が止まり、2年半が経過した今も転移などがなく普通の生活を送っている。樹状細胞が1000万個以下では、3年経過した現在、6人のうち、がんの増殖が止まったのは1人。

地域医療の人材養成で医師不足解消/大学病院で20件を文部科学省が支援
[毎日新聞 /9月14日]

文部科学省は13日、国公私立大学を対象に、地域医療を担う医療人養成のための優れた取り組みを重点支援する「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム(医療人GP)」の選定結果を公表した。へき地や離島の医師不足を背景に、大学サイドの貢献策として初めて行われたもので、大学病院を持つ大学から66件の申請があり、20件が選ばれた。3年間にわたり、それぞれ年間3000万〜4000万円が支援される。選定は以下の通り。<国立大>北海道▽弘前▽新潟▽福井▽島根▽佐賀▽長崎▽鹿児島▽琉球▽滋賀医科▽神戸<公立大>札幌医科▽福島県立医科▽大阪市立<私立大>岩手医科▽自治医科▽日本▽近畿▽日本歯科<共同申請>東京医科歯科など71大。

71歳以上の老人のうち2割が7種類以上の薬処方/厚生労働相が診療報酬明細書を分析
[朝日新聞 /9月13日]

厚生労働省がまとめた04年「社会医療診療行為別調査」によると、医療機関の外来で薬を処方された際、老人保健制度対象の71歳以のお年寄りの2割が7種類以上の薬を処方されている(多剤投与)ことが判明。お年寄りは複数の病気や不調をかかえやすいことも背景にあるが、一般に「多剤投与」は診療報酬で減額措置がとられるなど、好ましくないとされている。71歳以上で7種類以上を処方されている例は、医療機関内では診療報酬明細書(レセプト)の20.2%、医療機関でもらった処方箋を町中の薬局に持って行って薬を受け取る院外処方では23.9%。お年寄り以外では1割。一方、院外処方率は前年比2.8ポイント増の51.7%で初めて5割を超え、「医薬分業」の普及を裏付けた。また、医療費に占める薬剤費の割合は前年比0.6ポイント減の21.6%だった。1日当たりの医療費は、入院が前年比0.5%減の約2万1670円、外来は同6.9%増の約6780円。

がん患者の自己負担は年間120万円/病院の過半数は経済的負担の説明せず
[毎日新聞 /9月11日]

厚生労働省研究班の全国アンケートによると、がんにかかって入院した場合の自己負担額は、各種がんの平均で年間123万円にのぼることが分かった。うち入院・外来治療代は約64万円で約半分。民間療法や健康食品に約21万円、契約している民間の医療保険料に約25万円などさまざまな費用がかかっていた。がんの種別でみると、負担の最高は大腸がんで約180万円。肺がんの約159万円が続く。一方、経済的負担について病院から説明を受けたかとの問いには「説明はなかった」が55%と半数を超え「覚えていない」が16%。「十分な説明を受けた」は25%にとどまった。がんによる仕事や家計への影響を複数回答で聞くと「仕事をやめた、解雇された」が27%、「給料が減った」が17%など。自由記載欄には「困って消費者金融で借りた」などの声が寄せられた。

子ども医療助成を拡充/京都府宇治市が来年1月実施
[京都新聞 /9月10日]

京都府宇治市は、来年1月から子どもの医療助成を拡充する。通院費は負担金を除き無料となる対象を3歳未満から4歳未満に引き上げ、入院費は小学1〜3年で自己負担額が8000円を超えた分を償還払いにする。現行は、通院で3歳未満が負担金220円を除き無料、3歳から就学前まで8000円を超えた額を償還払いにしている。入院費は就学前まで負担金200円を除き無料。市内の小学1〜3年生は今年4月1日で5613人。久保田勇市長は乳幼児医療費助成を拡充する意向を示していた。

満腹ががんを招く?キャベツ、緑茶は効果的?食生活とがんには密接な関係が
[毎日新聞 /9月4日]

満腹するまで食べる習慣のある男性は、がん化を抑える遺伝子の働きが弱まっている率が高く、逆に、キャベツやブロッコリー、緑茶を多く摂取する男性ではこの率が低いことが、東京医科歯科大の湯浅保仁教授らの研究で分かった。がんに関連した遺伝子の働きが食生活で変化することが判明したのは初めて。湯浅教授らは、同大病院などで手術を受けた男性の胃がん患者58人にアンケート。がんになる以前の食事量や内容を聞き取ると同時に、がん化を抑えると考えられている遺伝子の働きを調べた。「満腹するまで食べていた」人の45%は、遺伝子が「メチル化」と呼ばれる化学変化を起こし働かなくなっていた。これに対し「腹八分」または「食事の量を少なくしていた」人は29%。緑茶を飲む量では、日に6杯以下と答えた40%にメチル化がみられ、7杯以上の人では14%。キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの摂取量をみると、週に2回以下とした人の44%にメチル化、3回以上では23%。湯浅教授は「研究が進めば、食生活の改善でメチル化を抑えたり、がん抑制遺伝子の働きを強めてがんを予防したりできるのではないか」と話している。

臓器提供の意思表示がインターネットで登録可能になり、脳死移植拡大に期待
[読売新聞 /8月24日]

厚生労働省は、脳死判定や臓器提供の意思表示がインターネットで登録できるシステムを来夏から始める。 登録希望者は、日本臓器移植ネットワークのホームページから登録を行い、入力した内容の意思表示カードが手元に届く仕組み。現行では、脳死での臓器提供は事前に本人が書面で提供の意思を示している必要があるため、登録を気軽に行ってもらい、脳死移植の拡大を図る。

手術後に「後遺症感じる」人が62%に/APPLEによる、パーキンソン病手術患者対象アンケート
[読売新聞 /8月22日]

パーキンソン病による震えなどの症状を軽減するために、脳に電極を埋め込んで刺激を与える「脳深部刺激術」の手術を受けた47人(平均年齢55歳)を対象に、患者らで作る「明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ」(APPLE)が調査を行なった結果、62%の患者が手術後に後遺症を感じていることがわかった。  手術後に手足の震えやしびれ、幻聴、幻覚などが改善したと感じる人は半数を超えたが、「手術の効果は期待したほどではなかった」と答えた人も36%いた。  一方、転びやすい、大きな声が出ない、などの症状について、半数以上が「悪化または不変」と回答、「手術の後遺症」の内容は、言語障害と記憶力の低下が共に11人と、最も多かった。  パーキンソン病は徐々に進行するため、これらの症状が手術によるものかどうか判断が難しい。

「患者中心の医療」に、医師と患者に大きな認識の差/名古屋大と日本製薬工業協会の調査より
[読売新聞 /8月22日]

名古屋大と日本製薬工業協会医薬産業政策研究所は、市民(患者)1131人、医師1101人を対象に、診察時などの医師と患者のコミュニケーション、満足度などについて調査した。その結果、医師と患者の間に大きな認識の差があることがわかった。  「患者中心の医療」が十分に実践されていると考える医師は87%、市民では32%と少ない。「十分に質問しやすい雰囲気」を作り出していると考える医師は81%、市民は26%。「わかりやすい説明」をしたと答えた医師は77%、市民は33%。「病気の情報提供」も、十分とした医師は70%、市民が37%だった。  また、患者の満足度を高める要因として、医師、市民とも「十分な説明」を挙げ、市民は「待ち時間が少ない」ことも多かった。

医療制度改革の柱である新医療保険は地域主導で医療費抑制を促す
[日経新聞 /8月19日]

厚生労働省が固めた75歳以上の「後期高齢者」が加入する新医療保険の骨格では、高齢者本人の保険料が地域の医療コストによって異なる仕組みとなり、医療費抑制を市町村やその広域連合主導で行っていく。国や都道府県が保険財政を支援する基金も併せて設立し、2008年度の創設を目指す。

75歳以上の新高齢者保険、医療費抑制めざして運営主体を市町村へ/保険料など地域ごとに増減、厚生労働省、市町村は反対
[日経新聞 /8月19日]

厚生労働省は、2008年度に75歳以上が加入する新医療保険の徴収や支払いを行なう運営主体を、市町村やその広域連合とする方針を固めた。地域の医療費と本人の保険料負担が市町村ごとに増減するので、負担増を避けようと健康づくりなどの積極化も期待している。また国や都道府県が市町村を支援する基金なども設置予定。来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。  高齢者の8割弱が現在市町村の国保に加入しているため、詳細な情報を保持する市町村が主体でないと難しいと判断したからだが、市町村国保はすでに財政難が続いており、半分近くを税金で穴埋めしているため「国が責任を負うべきだ」と主張している。

厚生労働省は、わかりやすい医療領収書に対して診療報酬を加算する評価の仕組みを導入する方針
[朝日新聞 /8月16日]

病院が患者に対して治療内容や費用の詳細を記載した領収書を発行する場合、その内容によって診療報酬を加算する仕組みを導入する方針を、厚生労働省が固めた。医療費の詳細や根拠がわかりにくいという患者の声に応えるもので、医療費のチェックやコスト意識を高めることで無駄な投薬や検査をなくす狙いもある。来年度の診療報酬改定での具体化を目指す。2000年3月から領収書の発行に努めるとする厚生労働省の通知があったが、各機関で様式にばらつきがあり、発行していない所が多いという状態となっていた。この仕組みによって、検査や治療内容を具体的に細分化して表記することや、それらの目的と根拠を明確にわかるようにしたいとしている。領収書の発行を促すことで、過剰な請求を抑制して医療費削減につなげていく考えだ。

がん診療拠点病院、痛み緩和の体制不十分/条件を満たしていない場合は、指定取り消しも
[日経新聞 /8月15日]

厚生労働省が7月下旬までに全国135の拠点病院を対象にした調査を行なった結果(うち回答121)、「地域がん診療拠点病院」のうち、指定を受けるための条件である「緩和医療」の体制が整っていない施設が25%にのぼることがわかった。  さらに、自宅で緩和医療を受けられるように開業医などと連携している、と答えたのは43%。反対に早い段階から緩和医療を導入していると答えたのは30.6%にとどまった。  同省は2年ごとに現況を報告させ、条件を満たさない施設は指定を取り消す。

2004年度の医療費が過去最高となり、高齢者の医療費の割合が初めて4割を超える
[朝日新聞 /8月15日]

2004年度の医療費は31兆4000億円となり過去最高に達し、70歳以上の高齢者の医療費の割合は初めて4割を超えた。1人あたりの医療費は24万6000円となっており、高齢者だけでみると73万9000円となっている。高齢者を除いた一般の人を医療保険別でみると、会社員が加入する被用者保険は前年度より1.6%増え12万9000円となっており、自己負担率の引き上げによる減少から一転した。また自営業者などが加入する国民健康保険は0.7%増え21万4000円となった。医療機関では保険薬局の医療費がこの数年大幅な伸びを見せており、医薬分業が進んでいるとみられる。

医療費抑制へ薬剤費3000億円圧縮検討
[日経新聞 /8月5日]

厚生労働省は2006年度の医療費を、薬剤費の圧縮などで3000億円超抑制する具体策の検討に入った。公的医療保険から支払う薬剤費は年6兆円強で、保険給付費の約2割を占める。現在の公定価格(薬価)を決めた2年前と比べ、医療機関の実勢仕入れ価は5%ほど下がったとみられ、厚労省は次の来年度改定で、薬価に関して値下がり相当分の約3000億円を引き下げ、薬剤費全体を圧縮する予定。なお薬価は、市場実勢に合わせて引き下げ、実勢価格を機動的に反映できるように頻繁に改定する。医療費が高額になった患者の負担増も検討し、厚労省は即効性のある抑制策と位置づけている。

高齢者医療保険、年金制度改革、ともに過半数が不支持
[朝日新聞 /7月31日]

社会保障に関する朝日新聞社の全国世論調査で、75歳以上対象の医療保険制度の新設を6割が反対していることがわかった。高齢者医療保険とは75歳以上が全員加入する新設の保険で、加入者全員が保険料を払う仕組み。財源は加入者の保険料と、半分が税金、残り半分は現役世代が自分たちの保険料とは別に負担する「連帯保険料」で賄うというもの。また年金制度改革について、働く世代の年金保険料を段階的に引き上げる一方、年金の水準を引き下げることへの評価は「あまり評価しない」「全く評価しない」があわせて62%にのぼった。年代別では「評価しない」は70歳以上が46%、40代で77%、20、30代で68%と現役世代で評価が低い。年金制度の信頼度については「あまり信頼していない」「全く信頼していない」が計44%。20代は72%が「信頼していない」と答えた。介護保険料の負担年齢を引き下げについての賛否は、反対が48%で、賛成の44%を上回った。

「がん拠点病院」4年ごとに更新。厚労省、がん治療の向上と質維持を重視
[朝日新聞 /7月13日]

全国どこでも質の高いがん治療が受けられることを目指した「地域がん診療拠点病院」について、厚生労働省は4年ごとに指定を見直す「更新制度」を導入する方針を決めた。「がんで亡くなる人が年間30万人を超す現状に、常にがん治療の一定の質を向上・維持することが重要と判断したため。「地域がん診療拠点病院」は全国に135ヶ所(今年1月現在)あり、一定数の専門医が常駐、患者のデータを一元的に管理するための「がん登録制度」を備えている、患者のための情報・相談窓口を設置しているといった要件を満たしていることが必要。その後、専門医の数が減ったり、相談窓口が閉鎖されたりする場合も考えられるため、2年ごとに現況報告を受けて、4年ごとに更新する制度を導入する。要件を満たしていなければ指定を取り消すという。

65歳以上の扶養家族も、健康保険料徴収へ/医療制度改革、厚生労働省
[日経新聞 /7月12日 朝刊]

現在、健康保険料を負担していない扶養家族の高齢者(65〜74歳)からも保険料を徴収する法案が、来年の通常国会に提出される。75歳以上の人すべてが保険料を払う新たな高齢者医療保険創設への対応と、医療費給付が多く年金収入がある世代に保険料の負担を求め、受益と負担の公平を確保するため。対象は約170万人の見込み。 保険料は扶養家族を持つ会社員に上乗せして徴収、国民年金に加入する扶養されていない高齢者の保険料が目安。64歳以下の扶養家族については、子育て世帯などに配慮し、保険料負担を求めない方針。

都道府県単位で医療費圧縮、8指標設定/厚生労働省方針、補助金削減も
[日経新聞 /7月10日 朝刊]

2006年度の医療制度改革に、都道府県単位で様々な数値目標を盛り込んだ医療計画作りが提案される。2025年には医療費が69兆円に増えると予測、厚生労働省は8つの指標を設定し、各都道府県単位の医療費圧縮から国全体の伸びを抑える狙い。導入する指標は健康診断受診率、がん検診受診率、疾病自覚率、早期社会復帰率、地域連携支援率、地域医療カバー率、在宅支援率、死亡率の8つ。生活習慣病の早期発見や入院後の日常生活復帰促進などで受診率や不必要な入院を減らす。各都道府県は地域の特性を考えて目標を定め、定期的に住民に状況を公表、5年ごとに改善計画を作成。厚生労働省は実績に応じて交付金の調整を行なうが、目標未達成なら補助金削減もある。 同時に、診察報酬や医療保険制度の見直しも進める考え。

医療機関・医師選びには、医師の得意分野、治療費用を知りたい/日経新聞の医療と健康に関する調査結果
[日経新聞 /7月10日 朝刊]

かかりつけ医を「決めていない」は30.3%。理由は「必要と思わない」が33.7%、「探し方が分からない」が31.9%、「探しているが見つからない」が24.1%。半数が医師探しに悩んでいる。 医療機関選択に参考にする情報(3つまで選択)は多い順に「家族・知人」75.8%、「かかりつけ医の紹介」47.7%、「インターネット」13.8%。口コミが重要な役割を果たしているのがわかる。インターネットでの検索は20代、30代など若い世代に偏り、40代以上は2割未満。 医療機関に公開してもらいたい情報(3つまで選択)は「各医師の得意分野(専門医資格など)」が46.2%、「カルテなど診療記録」が34.6%、「医療費の明細」が32.2%、「手術などの症例数」が25%、「生存率や死亡率など治療実績」が19.8%。

高齢者医療費、窓口負担2割を3割に/厚生労働省が来年法案を提出
[朝日新聞 /7月9日 朝刊]

厚生労働省は、70歳以上の課税所得が年145万円以上の高齢者の医療費窓口負担を、2割から3割に引き上げるなどの医療制度改革案を年内にまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針。老人医療費の割合が多くなり、現役世代の負担感が強いため、高齢者にも負担を求めざるをえないと判断。また1割負担者を2割にする案もあるが、介護保険との整合性や受診抑制の心配など反対論が強く、調整は難航する見通し。その他、高額療養費制度の負担限度額も引き上げる予定。現在、この制度を利用すると1割負担者は実質8%、2割負担者は16%の負担にとどまっている。2002年度の2割負担者は70歳以上の約8%にあたる121万6000人。1割を2割に、2割を3割に引き上げた際の医療費削減は年8000億〜1兆数千億円になる見込み。

高齢者地域保険創設に、全国知事会が反対/社会保障審議会部会
[日経新聞 /7月7日 朝刊]

全国知事会は7日、厚生労働省の医療改革に対し、地域が運営する75歳以上の高齢者の新保険創設に反対する姿勢を明らかにした。全国市長会も「全国一本の制度に」と同調、国の主導を主張している。 厚労省は医療制度改革で地方の責任を強め、地域ごとに医療費を抑える仕組みを導入したい。だが高齢化により医療費は増加確実。地方側の財政負担となる可能性があり、反発は必至だ。

社会保障費の増加、5000億円超抑制、経済成長率並みに/財務省、来年度概算要求
[毎日新聞 /7月5日 朝刊]

財務省は4日、2006年度予算の概算要求基準で、社会保障関係費の増加額を5000億円以上抑制する方向で調整に入った。社会保障給付の公費負担は、財政制度等審議会の今年5月の試算で現在27兆5000億円、このままでは10年後は43兆5000億円に拡大する。2005年度の概算要求では増加額を約2200億円に抑制。社会保障制度を維持しつつ、負担を将来世代に先送りしないために、2006年度は医療制度改革により、給付の抜本的見直しなどで、伸び率を経済成長率並みに大幅に抑える方針。一方、公共投資関係費は、前年度当初予算比3%程度削減を維持する。景気対策で追加された以前の水準に戻すことを目標に、2002年度は10%削減、以後3%削減を続け、2006年度の3%削減で目標達成の見通し。すでに目標達成との声もあるが、このような取り組みを引き続き着実に推進するため次年度も削減継続の予定。

「小さな政府」で、40代以下の医療負担超/2005年度 経済財政白書原案より
[日経新聞 /7月5日 朝刊]

4日に公開された2005年度年次経済財政報告原案に、初めて医療に特化した年代別収支計算表が掲載された。年金に比べ、医療費の伸びが著しいため。白書では「小さな政府」の実現により、40歳代以下の生涯の保険料などの負担が、保険給付などの受益を上回る「負担超」と試算されている。

肺がん治療薬「イレッサ」、遺伝子の違いで延命効果が3倍に?/国立がんセンターの研究
[日経新聞 /7月4日 朝刊]

肺がん手術後に再発し「イレッサ」投与を受けた患者66人のうち、がん増殖にかかわるたんぱく質EGFR(上反成長因子受容体)が「イレッサ」と結合して変異した肺がん患者の39人の生存期間は平均20.4ヶ月、変異のない患者27人は6.9ヶ月と、約3倍の開きがあった。愛知県がんセンターでの追跡調査でも、遺伝子のタイプで延命効果に差がでている。今回の研究で「イレッサ」投与前に患者の遺伝子を調べれば延命効果が予測できる可能性が強まったため、遺伝子の変異と延命効果の予測研究や、副作用がおきやすい患者の判定研究も進んでいる。製造元の日本での延命効果調査も行なわれているが、結果が出るのは2007年春ごろの見通し。また肺がん組織の採取による患者の負担増や、検査施設が限られていることから、東京大学医科学研究所がより簡単な手法を開発。実用化に向けて研究が開始された。ただし「イレッサ」は日本人以外の延命効果が認められず、製造元が欧州での承認申請を取り下げたり、副作用による死亡が相次いだことから、日本での使用制限を求める声も上がっている。

医療相談14%増、1位は苦情/日本医療機能評価機構の調査結果より
[日経新聞 /6月29日 朝刊]

昨年度の「医療安全支援センター」への相談件数は約4万2000件で前年の14.0%増。そのうち医療行為への苦情が約26.0%。各都道府県に設置された同センターは、医療機関に直接は相談しづらい件の受付や安全対策が目的だが、認知度は1割と低く、PR不足が課題。

医療内容に苦情を持つ患者の3割が誰にも相談できていない状態
[毎日新聞 /6月27日 朝刊]

病院評価の第3者機関「日本医療機能評価機構」の調査によると、受けた医療内容に苦情を持つ患者の3割以上が誰にも相談てきていないことがわかった。不満の内容として、医療内容32%、医療費35%、薬の内容34%となっている。不満について相談しないという人が、3割以上に上り、その理由については「誰に相談するのかわからない」「相談しても解決しない」という回答が8割となっている。また、相談すると医師や看護師に嫌われるかもしれないという回答も10%に達している。都道府県では、「医療安全支援センター」を設置し、苦情の受付を行っているが、同センターを知っているという回答は、10%にとどまっており、センターの周知徹底も必要となる。

医療機関に必要な医師や看護師を示す「配置標準」を都道府県ごとに決められるように規制緩和
[産経新聞 /6月26日 朝刊]

厚生労働省は、医療機関の患者数に応じて必要な医師や看護師などの人数を示す「配置標準」をこれまでの全国一律から、都道府県知事が地域の実情に合わせて決めることが出きるように制度を見直す方針を固めた。見直しは1948年の医療法施行以来初めてとなる。国は目安としての配置標準を示すが、都道府県の医療計画の中で必要な医療体制が整備されていれば、知事の裁量で緩和を認める方向。緩和条件としては、病院間の支援態勢の充実や遠隔医療導入が見込まれ、医療機関には人員配置数の情報公開を促していく。現在は配置標準を下回る医療機関では診療報酬の支払いが減額されるため、規制を免れるための医師の名義貸しが問題となっていた。同省の集計で、2003年度に検査した病院のうち、配置標準を下回る病院は5分の1になり、2004年度から始まった医師臨床研修制度の影響で、大学病院が派遣先の病院から医師を引き揚げるケースが相次ぎ、深刻な医師不足となっている。

「医療心理師」と「臨床心理士」が国家資格に/二つの「心理カウンセラー」法案を一本化
[日経新聞 /6月18日 朝刊]

17日、「医療心理師」と「臨床心理士」の国家資格化を別個に目指していた二つの議員グループが検討、法案を一本化する見通しとなった。だが、どちらも「心理カウンセラー」であり、似たような国家資格が2つ生まれることになるため、所轄官庁や活動分野のすみわけなど調整が難航することが予想される。「臨床心理士」は現在は民間資格で、今後も医療現場のほか学校や福祉施設など幅広く活動する。受験資格は大学院修士課程修了者。一方、新設される「医療心理師」は医師の指示のもと、医療スタッフの一員として活動する予定。4年生大学卒が受験できる。

「イメージ一新、「精神科病院」に表記統一/超党派で国会に改正案提出
[朝日新聞 /6月16日 朝刊]

精神保健福祉法など条文中の「精神病院」表記を廃止し、「精神科病院」に統一する改正案が、党派を超えた議員提案で今国会に提出される。精神疾患の患者急増に伴い、「科」をつけることで差別的なイメージを一新、診療を受けやすくするのが狙い。


中医協、回数制限の医療28項目、保険併用認める
[日経新聞 /6月16日 朝刊]

中央社会保険医療協議会(中医協)の分科会は15日、回数制限がある415の医療行為のうち28項目について、制限を超えた場合に保険診療との併用(混合診療)を認める内容の報告をまとめた。今月下旬の中医協で承認されれば7月にも併用が始まる。これまで制限回数を超えた場合、3割負担の分も全額を負担していたが、混合診療が認められれば、制限を超えた分だけ全額負担となる。対象は腫瘍マーカー検査や補聴器適合検査、残尿測定など17検査、リハビリテーション療法8、精神科ケア3。

医療ミス繰り返す「リピーター医師」再教育へ/日本医師会が研修会実施へ
[読売新聞 /5月24日]

日本医師会(日医、植松治雄会長)は、医療ミスを繰り返す「リピーター医師」の再教育に向けた「医療事故防止研修会」の内容を公表した。初回研修会は8月上旬までに実施することになっており、対象は約120人。「過去3年で3回以上の有責の医事紛争」にかかわった医師等、リピーター医師のうち特に再教育が必要とされる者や管理責任を問われた病院の院長ら施設管理者らで、医師の職業倫理や患者と医師の関係、患者の安全などのテーマについて、2日間にわたって講義を受け、自己評価を行うという。

医療費抑制、都道府県ごとに伸び率管理/厚労省方針
[朝日新聞 /5月25日]

厚生労働省は、医療費の伸び率を抑えるための新たな管理指標について、都道府県ごとに数値目標を設定する方針を示した。地域ごとで経済規模や医療環境に差があるため全国一律ではなく、都道府県ごとに伸び率を管理することで、実効性を持たせたい考えだ。各地域の医療費を分析して「医療費適正化計画」を策定し、給付費の抑制につながる項目について数値目標を設定。都道府県ごとで達成を目指すよう求め、指導や助言も行う予定で、国全体で給付費総額の1割程度の抑制を目指す。

病院HP情報、NPOが審査/性格なら「適マーク」
[読売新聞 /5月30日]

医療機関を選ぶ際の情報源となる病院のホームページ(HP)を、第三者機関が評価する初めての試みが始まった。実施機関はNPO法人「日本技術者連盟」内の「医療健康情報認証機構」。同機構が養成したスタッフが、手術件数や方法、治療効果など55項目について審査を行い、内容の正確さが証明されれば「適マーク」(認証シール)を付ける。費用は約30万円、1年ごとの更新制。また、情報の信頼性の担保として、データ作成者の名前も明記させる。

末期がん患者の蘇生措置、断念も/厚労省研究班報告書
[共同通信 /5月30日]

末期がん患者の蘇生措置は、必ずしも行わないでよい−。尊厳死の一部容認にも取れる報告書を、終末期医療の在り方を検討する厚生労働省の研究班(主任研究者・林謙治国立保健医療科学院次長)が5月29日までにまとめた。報告書では、末期のがん患者が心臓停止や呼吸停止状態になった場合、本人や家族の同意があれば、蘇生措置を無理に行わなくてもよいとしている。ただし、既に装着している生命維持装置の停止を医師らに求めるのは、現状では困難とした。

出生率111万人、合計特殊出生率1.289、ともに過去最低を更新/2004年人口動態統計
[読売新聞 /6月2日]

厚生労働省が発表した2004年の人口動態統計(概数)によると、出生数は約111万1000人で前年の112万4000人をさらに下回り、過去最低を更新。4年連続の減少となった。平均初婚年齢は男性29.6歳、女性27.8歳で、いずれも前年より0.2歳上昇。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供)は1.29だが、小数点3位までの比較では、前年の1.291を下回る1.289で、過去最低更新となった。死亡数は102万9000人で過去2番目(戦後)に多く、死因はがん(32万人)、心疾患、脳血管疾患の順番。

信頼感を強める「オキシトシン」、スイス・チューリヒ大らが確認
[読売新聞 /6月4日]

スイスのチューリヒ大学などの研究チームが、脳内で作られるホルモン「オキシトシン」に、信頼感を強める働きのあることを確認した。実験は男子学生58人に対し、受託人(他人)にお金を預ける投資ゲームを実施。どのくらい預けるかを比較した。オキシトシンを鼻に噴射したグループは45%が、もっとも高い投資額を選んで受託人に預け、最も低い額を投資したのは21%だった。これに対し、偽薬を受けたグループはそれぞれ21%、45%と反対の結果が出た。受託人がコンピューターになると、両者に差は出なかった。

80%の人が「年をとることに不安」/国立長寿医療センター調査
[日経新聞 /6月4日]

同調査によると、全世代を通じ、8割の人が「年をとることに不安」と回答、理由として認知症介護への不安、病気などを上げた。調査対象は20-70代。「長生きしたい」人は20-30代で50%台に留まった。「不安」と回答したのは、女性(85%)が男性(81%)を上回り、また75歳以上(69%)より40-54歳(88%)、20-39歳(87%)が高かった。

ケアマネの報酬引き上げ厚労省、質の向上条件に
[共同通信 /6月6日]

厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の報酬単価を引き上げる方針を固めた。ただし、計画作成時の関係者との協議など仕事の質の向上が条件で、基準に満たない場合は報酬を減額し、格差をつける。この措置によりケアマネの独立性を高め、結果として過剰サービスを減らしていきたい考え。ケアマネの多くは訪問介護などの事業者に所属しており、事業者の意向に沿ったサービス計画をつくるよう圧力を受けやすいなどの指摘がこれまであった。

日医が新案、給付費の2割を高齢者負担へ/高齢者医療制度
[朝日新聞 /6月7日]

日本医師会は、新たな高齢者医療制度について、給付費の2割を高齢者負担でまかない、残り8割は公費(税財源)や現役世代で負担する案を発表した。9割を公費で、高齢者負担は1割という従来の主張を転換した。方針転換の理由について、松原謙二・日医常任理事は「今後の高齢化を考えると、公費だけではまかなえないと判断」と説明。政府案は、公費負担を5割、残りを高齢者の保険料や患者の自己負担、各健康保険組合や国民健康保険から拠出する「社会連帯保険料」(仮称)でまかなうとしており、今後調整が本格化する。

がん医療、患者・家族ら8割が不満/がん関係者アンケート
[読売新聞 /6月8日]

「がん関係者アンケート」は、東京大の近藤正晃ジェームス特任助教授らが今年4月から全国の患者会などに呼びかけて実施。このほど1031人分を中間集計した結果、がん患者・家族の8割が日本のがん医療に不満を抱いていた。原因は「治療薬の承認の遅れ」92%、「治療だけでなく総合的に相談できる専門家がいない」86%、「治療費の水準」81%など。情報不足については「専門医リスト」82%、「病院の疾病別の治療成績」63%、「医師ごとの治療成績」60%と続いた。また93%が「がん患者の声は現在どの程度医療政策に反映されていない」としていた。

医療ミス防止/安全指針、歯科・薬局も義務付け
[産経新聞 /6月9日]

厚労省の医療安全対策検討会議で、病院だけでなく歯科医院や薬局などにも安全管理指針の策定を義務付けるとするワーキンググループの医療安全対策が報告、了承された。医師や看護師の安全研修にあたっては、医療事故の被害者から直接の声を聞く機会を設けることも提案。国が進めるべき当面の対策として、病院と有床診療所に義務付けている安全管理指針の策定や事故報告を、すべての医療機関や薬局などに義務付ける必要性を示した。また、医療ミスを繰り返す「リピーター医師」を減らす取り組みとして、行政処分を受けた医師の再教育制度の検討が必要とした。

 


(c) 2004 IMAGE LABORATORY Corp. All Rights Reserved.