No.4730 Re: とろみ剤について

発言者:やえ 発言日:2007/01/30 23:46 返信する 応答をメールで転送

看護師嚥下摂食リハに関与しています。トロミ剤(ゾルタイプ)=トロミ調整食品は大別すると原材料により3つ(通称3世代)に分けられます。第1世代の製品はでん粉のみから出来ている製品です。通称第2世代の製品はでん粉と増粘多糖類から(デキストリンを含む場合もある)出来ている製品です。そしてここ数年専門施設で最も多く使われているのが第3世代の増粘多糖類とデキストリンだけの、でん粉を使用していないクリアタイプ(すっきり透明感のある咽越しから由来)の製品です。トロミ剤の最大の使用目的は飲食物、特に水分の誤嚥防止ですから、嚥下物性の良い(滑らかで、付着性が低く、変形性や、食塊性等に優れること。唾液等によるトロミの変化を受けないこと)でん粉を含まない第3世代の製品が医療・介護現場では安全で一番支持されています。
そして、最近は少量で素早くトロミのつく第3世代製品にリニュアルされてきたので使いやすさも向上しています。
「トロメリン顆粒」はでん粉だけの第1世代製品で最近の嚥下障害専門施設や特養老健ではめっきり使用する施設は減ってきました。量を多くしないと(4%位)トロミがつかないのと、味と付着性と唾液による影響で劣るからです。
第2世代の代表的な「トロミアップ」は粘度の少しある料理をまとめる時などオールラウンドの汎用タイプですが、お茶、ジュース、ミルク等の飲み物に対するベタツキ感や食塊性は第3世代に比べ少し劣ります。
増粘多糖類とデキストリンだけの第3世代製品では、実績のある「トロミクリア」「スルーキング」「ソフティア」などがリニュアルして甲乙つけがたいほど良い物性に感じます。「つるりんこ」も良いように思います。
ただ、その他塩化カリウムを配合したり、ナトリウム量がかなり多い製品も出ていますが、あまり良いとは感じません。尚、ご質問のトロミの混ぜ方は、第3世代の製品に関するかぎり、トロミ剤をゆっくり入れるより、素早く入れた方が確実に綺麗に混ざります。飲み物をかき混ぜながらトロミ剤を素早く入れるのがコツです。
また2%位の濃度で、ほとんどの第2及び第3世代トロミ剤が適量(トロミの状態)になっていますから、1包(スティック小包装入り)ずつの方が、家庭での使用が最も多い水分のトロミ付けには適していると思います。缶や大き目のパウチ袋入りの方がg当たりコストでは安いのですが一般的使用ではスプーンからですとトロミ剤を多く入れてしまいがちで、かえって無駄な使用と割高になっている在宅での患者さんを見受けます。
参考までに現在までの経験からお話させていただきました。

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 4664: とろみ剤について [やすこ] ID:??? 2007/01/28 20:41
 └◇4672: Re: とろみ剤について [タッキー先生] ID:??? 2007/01/28 23:22 評価
  └◇4730: Re: とろみ剤について [やえ] ID:??? 2007/01/30 23:46 評価
   └◇11799: Re: とろみ剤について [まなみ] ID:??? 2007/12/13 14:07 評価
    └◇12218: Re: とろみ剤について [りょう] ID:??? 2008/01/03 23:26 評価